コロナショックで狼狽売りしなかった理由
初めて経験した暴落。不安の中でも積立を続けられた理由は、投資の知識よりもずっと現実的なものでした。
— 不安の中でも、続けるために必要だったもの —
① あの頃の空気を覚えていますか
2020年。
日々のニュースは、コロナに関する情報であふれていました。未知のウイルスへの恐怖。死への恐怖。「以前の生活に戻れるのか」という漠然とした不安。世界中が同じ方向を向いて、不安と緊張に包まれていた時期でした。
当然、株式市場も大きく下落しました。
私が積立投資を始めてから、まだ約2年。積立額もそれほど大きくはなく、暴落を経験するのは初めてのことでした。
日々流れてくるのは、ネガティブな情報ばかりでした。
- 「まだ下がる」
- 「V字回復はない」
- 「2番底、3番底が来る」
そんな声が、あらゆる場所から聞こえてきました。
② 正直に言うと、とても怖かった
率直に申し上げて、非常に怖かったです。
資産が目に見えて減っていく。しかも、どこまで下がるのか分からない。頭では「長期投資だから大丈夫」と理解していても、感情はまったく別の動きをします。
「このまま下がり続けたらどうなるのか」——そんな不安が、何度も頭をよぎりました。
それでも、私は狼狽売りをしませんでした。
③ 理由はシンプルでした:生活が揺らいでいなかったから
狼狽売りをしなかった最大の理由は、自分の生活が安定していたことです。
| 安定の要素 | 投資に与えた影響 |
|---|---|
| 毎月、安定した給与が入ってくる | 「今すぐ取り戻さなければ」という切迫感がなかった |
| 生活費に困っていない | 保有し続ける精神的な余裕があった |
| 健康で働き続けられている | 長期でいられるという安心感があった |
投資は「余裕資金で行うべき」とよく言われますが、その意味をこのとき初めて実感しました。
もし生活が不安定な状態で投資をしていたら、おそらく同じ判断はできなかったと思います。
④ 暴落時に大切なのは「リスクの取り方」
コロナショックの局面で、私は追加購入も行いました。株価が大きく下がっていたため、「今のうちに買い増したい」と考えたからです。
ただし、ここで重要なのは無理をしなかったことです。
| 原則 | 具体的な行動 |
|---|---|
| 生活に影響が出ない範囲で | 生活費・緊急資金には一切手をつけない |
| 余裕資金の中で | 投資に回せる資金を事前に決めておく |
| 段階的に | 一度に全力買いはせず、分割して入る |
結果としては良い判断となりましたが、これはあくまで結果論です。どんなに考えて行動しても、投資において「絶対に正しい判断」というものはありません。だからこそ、自分が耐えられる範囲で行動することが重要になります。
⑤ 積立投資だけは止めなかった
追加購入については慎重に判断しましたが、毎月の積立投資だけは一度も止めませんでした。
理由は明確です。インデックス投資は、**「下落も上昇もすべて受け入れることで、長期的な成長を取りにいく仕組み」**だからです。
ここで重要になる考え方があります。それが、**「稲妻の輝く瞬間」**です。
株式市場では、短期間で大きく上昇するタイミングが突然訪れます。そしてそのタイミングを事前に予測することは、プロでも非常に困難です。
もしその瞬間に市場にいなければ、大きなリターンを取り逃してしまう。
だからこそ、相場から離れないことが重要です。積立を止めるという選択肢は、最初からありませんでした。
⑥ 長期投資を支える「前提」の考え方
私が投資を続けられている背景には、ひとつのシンプルな考え方があります。
「人類の成長は続く」という前提です。
人は常に、より便利に・より快適に・より豊かにという方向に進み続けます。この欲求がある限り、新しいサービスが生まれ、新しい技術が開発され、企業は成長を続けていきます。
短期的には大きく下落することがあっても、長期的には回復し、成長していく。これは過去の歴史が示してきた事実です。
| 過去の主な暴落 | その後の回復 |
|---|---|
| リーマンショック(2008年) | 数年かけて回復・その後最高値更新 |
| コロナショック(2020年) | 約1年でほぼ回復・その後最高値更新 |
どんな暴落も、長期で見れば「通過点」でした。
⑦ あの経験から学んだこと
コロナショックを経験して、強く感じたことがあります。
それは、**「投資はメンタルがすべて」**ということです。
どれだけ知識があっても、どれだけ優れた戦略を持っていても、不安に耐えられなければ、続けることはできません。
そしてメンタルを支えるのは、意外なほど現実的な要素でした。
| メンタルを支えた要素 | なぜ大切か |
|---|---|
| 安定した収入 | 「売らなければならない」という切迫感をなくす |
| 健康 | 長期で働き続けられるという安心感 |
| 無理のない投資額 | 下落しても生活が揺らがない |
知識や戦略の前に、この土台があること。それが長期投資を続けるための本質だと、今は思っています。
⑧ 最後に
あの頃の自分に伝えられることがあるとすれば、こうです。
「怖くて当然です。でも、続けてよかったと思える日が来ます。」
もし今、相場が不安定で不安を感じているのであれば、その感覚はとても自然なものです。
大切なのは、怖さを感じながらも、続けられる仕組みを持つことです。
| 長期投資を続けるための原則 |
|---|
| 無理のない金額で始める |
| 長期を前提に、相場から離れない |
| 生活基盤を守ることを最優先にする |
焦る必要はありません。小さくてもいいので、続けること。それが、未来の安心につながっていきます。