100銘柄以上持つ理由——お気に入り銘柄なんてない、それが分散投資の本質
高配当株を100銘柄以上保有する理由と、30業種以上に分散したポートフォリオの実際。セクター比率データと設計思想を正直に公開します。
— 完璧なポートフォリオは最初からできない。少しずつ整えていくものだと思っています —
① よくある誤解
高配当株投資を始めようとする人から、よくこういう話を聞きます。
「お気に入りの銘柄を見つけて、そこに集中投資するのが高配当株投資ですよね?」
気持ちは分かります。「これだ」という一社を見つけて、そこを集中的に買い続けるイメージ。投資の世界でよく語られる、好きな企業に長期投資するスタイルの延長線として、高配当株投資を捉えている方が多いと思います。
でも、私の考え方は全く違います。
② 私のポートフォリオの考え方
現在、私は100銘柄以上の高配当株を保有しています。
「お気に入り銘柄」というものが、ありません。
特定の銘柄に固執しないし、「株価が上がっているから好き」「成長しないからキライ」という発想もしません。全銘柄が等しく大切で、どれか一つが飛び抜けて重要というわけでもない。
なぜそういう設計にしているかというと、目的がシンプルだからです。
私の目的は、ポートフォリオ全体で長期的に安定した配当金を受け取り続けることです。特定の銘柄を当てることでも、株価の値上がりを狙うことでもない。
この目的から逆算すると、一社に集中することのリスクが見えてきます。どんなに業績の良い企業でも、減配や業績悪化のリスクはゼロではありません。一社に偏っていると、その一社の動向がポートフォリオ全体の配当金を大きく左右してしまう。
だから、広く分散する。それが私の設計の出発点です。
③ セクター分散の実際
現在のポートフォリオのセクター(業種)別比率を公開します。これは今この瞬間のスナップショットであり、日々の購入で比率は少しずつ変動しています。
| セクター | 比率 |
|---|---|
| 情報・通信業 | 7.4% |
| 卸売業 | 7.1% |
| 食料品 | 6.3% |
| 機械 | 5.8% |
| サービス業 | 5.7% |
| ETF・他 | 5.6% |
| 銀行業 | 5.4% |
| 化学 | 4.8% |
| 医薬品 | 4.3% |
| 保険業 | 3.8% |
| 金属製品 | 3.8% |
| その他製品 | 3.4% |
| その他金融業 | 3.1% |
| 倉庫・運輸関連業 | 3.1% |
| 非鉄金属 | 3.1% |
| 建設業 | 3.0% |
| 電気機器 | 2.6% |
| 証券・商品先物取引業 | 2.5% |
| 電気・ガス業 | 2.4% |
| ゴム製品 | 2.2% |
| 不動産業 | 2.2% |
| 鉄鋼 | 2.1% |
| 鉱業 | 1.6% |
| ガラス・土石製品 | 1.5% |
| 輸送用機器 | 1.4% |
| 小売業 | 1.2% |
| 空運業 | 1.2% |
| 石油・石炭製品 | 1.2% |
| 精密機器 | 1.1% |
| 陸運業 | 1.0% |
いくつかポイントをお伝えします。
最大セクターでも7.4%
最も比率が高い「情報・通信業」でも7.4%です。私は一つのセクターに10%以上集中させないことをルールにしています。今のところ、それが守られています。
30業種以上に分散
業種の数で言うと、30種類以上に分かれています。これは結果としてそうなったもので、「30業種に入れよう」と意識して作ったわけではありません。銘柄を少しずつ積み上げていくうちに、自然と広がっていきました。
比率は日々動く
これはあくまで今時点のデータです。購入のたびに比率が変わりますし、株価の動きによっても変化します。「常にこの比率を維持する」のではなく、大きく偏らないよう緩やかに意識している、という感じです。
④ なぜこの設計にしているか
セクターごとに、好調・不調の時期が必ずあります。
銀行業が好調なとき、不動産業は不調かもしれない。エネルギー関連が伸びているとき、通信業は横ばいかもしれない。こういった動きは、経済環境や金利・政策によって変わります。
特定のセクターに偏ったポートフォリオを持っていると、そのセクターが不調のときに配当金全体が大きく減るリスクがあります。
広く分散していれば、あるセクターが不調でも、他のセクターがカバーしてくれます。ポートフォリオ全体としての配当金が、急激に落ち込みにくくなる。
これが、安定した配当金を長期で受け取り続けるための構造です。
⑤ 分散投資の本質
分散とは「ただ広げること」ではないと思っています。
「よく分からないからとりあえずたくさん買っておく」という分散は、目的が曖昧です。
私が目指しているのは、「長期的に安定した配当金を受け取り続ける」という目的に合わせた設計です。その目的から考えると、セクターを偏らせないこと、特定の銘柄に依存しないことが自然な結論になります。
完璧なポートフォリオは、最初からできません。
私も最初は数銘柄からスタートして、少しずつ積み上げてきました。途中で「このセクターが薄いな」と気づいて追加したり、利回りが下がった銘柄を整理したりしながら、今の形に近づいてきました。
少しずつ整えていくもの——それが、長期投資のポートフォリオだと感じています。
もっと詳しく知りたい方へ
セクター分散の考え方はこちら → セクター分散とは——高配当株投資で失敗しないための考え方
銘柄の選び方はこちら → 高配当株の銘柄選定——愛せる企業に出会うために
最初の1株を買うまでの話はこちら → インデックス投資だけでは物足りなくなったら——高配当株投資の始め方
100銘柄を超えたのは、目標にしていたからではありません。少しずつ買い続けていたら、気づいたらそこに届いていた。コツコツは、確かに積み上がります。